愛知県知多市にて心療内科・精神科・児童精神科を診療する「新舞子メンタルクリニック」についてご案内します。

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内観療法体験記

2012.夏
40代 男性

私が内観療法に取り組みたいと思った理由は自分を変えたいと強く思ったからです。

私は結婚して4歳の子供もいましたが、生活態度が原因で重度のうつ病になってしまい、平成24年春に離婚となってしまいました。離婚後も妻に未練があり、最愛の息子にも逢わせてもらえず、毎日苦悩の日々を送っていました。
さらに6月には重度の貧血になり、会社も長期休職状態となってしまいました。長期休職状態になってしまったし、私の性格が変われば息子にも逢わせてもらえるのではという想いもあり、意を決して集中内観へ行くことにしました。

研修所での内観は、テーマの三項目(してもらったこと・して返したこと・迷惑をかけたこと)を思い出すのが精一杯で、屏風の中も苦痛でとても朝から晩まで内観し続けることなどできず、三項目を思い出した後は面接の方がみえるまでボーっとしていることもありました。ですから、集中内観は不完全燃焼で終わってしまいました。集中内観へ行って良かったと思ったことは、あの辛い環境に耐えたという達成感だけでした。

帰る時、面接者の方から日常内観を毎日続けることが大切ということを教えていただき、翌日から朝ウォーキングをしながら内観することにしました。3日位経った時、私の中で意識改革とでもいうか、明らかに以前の自分と違う面が形成されていくのが手に取るように分かり、本当に不思議に思いました。それをクリニックの永田先生に話して、クリニックでの日常内観が始まりました。

集中内観の時に面接者の方からアドバイスをいただきましたし、要領は分かっていたので、クリニックでもスムーズに取り組むことができました。
毎日内観へ通い、2コマ、3コマ(1コマは約1時間)行いました。ただ集中内観の時と同じで、三項目を真剣に考え抜くのですが、それ以上思い出すことができなくなると、瞑想してみたり、ボーっとして高橋さんが面接にみえるのを待っているような状態でした。集中して考えている時間は1コマ35分から40分位で、1時間目一杯考え抜くのは非常に難しいことだと感じました。
おそらく、1時間なら1時間目一杯思い出す努力をしないと内観を深めることは難しいだろうなと感じています。しかし、最初の頃は三項目を思い出すだけで精一杯だったのが、相手の立場に立って内観できるようになり、迷惑をかけた部分では反省する気持ちも大きくなってきています。

現在、自分自身変わることができた面は、

  • 素直に感謝の気持ちを持てるようになり、自然に「ありがとう」と言えるようになったこと
  • 相手を気遣う言葉が言えるようになったこと
  • 物事を深く考え込まなくなったこと
  • プラス思考で物事を考えれるようになったこと

などです。
以前の私は、これらのことが全くできませんでした。

やはり、内観でそれなりの効果をあげるには、とにかく毎日たとえ30分でも良いから続けることだと思います。
クリニックへ毎日来て内観することは、ほとんどの方は無理かと思います。私の考えですが、例えば週2回クリニックへ内観に来れる方は、残り5日は自宅で内観する。テーマについては、自宅での内観とクリニックでの内観は統一した方が効果があがるのではないかと思います。

おかげさまで、8月から職場復帰することになりましたので、時々クリニックで内観させていただきながら、自宅でも時間を工夫して日常内観を続けていきます。
こんなに変われた自分を無くすのは勿体ないですから。

*この体験記につきましては、ご本人の許可をいただいて掲載しております。

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