愛知県知多市にて心療内科・精神科・児童精神科を診療する「新舞子メンタルクリニック」についてご案内します。

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内観療法体験記

クリニックで内観療法され、集中内観へ行かれた方の体験記が「北陸内観研修所ホームページ」に掲載されました。
以下、ホームページより抜粋させていただいたものです。
なお、この体験記につきましては、研修所ならびにご本人の許可をいただいて掲載しております。

家庭内暴力の娘を持った母が救われるまで

今回は家庭内暴力の娘を持った母親の内観体験記です。
この方はアスペルガー症候群の長女と、家庭内暴力(DV)の次女の母親です。

次女の度重なるDVのために強制入院させたことから、その病院で内観に出会い、次女ではなく母親が病院で日常内観を続けていたそうです。

次女が完治したこともあり、さらに自分を深く見つめたい、もはや亡くなった自分の母とのわだかまりを無くしたいと集中内観に来られました。

この方が内観をすることでどのように変わったのか?
まずは内観直後の感想文です。


私は「母に心から感謝する気持ちを持ちたい」という思いで集中内観をしようと決め、こちらに来させていただきました。
一回目の母に対する内観では、全くそういった気持ちにもなれず、焦りを覚えましたが、二回目の内観の中で、長女を出産した時のことを思い出し、やっと母に心から感謝の気持ちを持て安心しました。

そして父に対する二回目の内観を始めたとき、私は三歳までは楽しい思い出が浮き上がり、自分は幸せな時もあったのだと気づきました。
すると所長さんは「あなたはご両親から精神的なDVを受けておられたのでしょう」とおっしゃって下さった言葉に、スーッとし納得できました。
私は両親のDVをやっと受け入れることができました。

次女は小さなころからしっかりしていて、私はとても助けられ、親として心配するような事も何も無く、私からはいつも感謝の言葉を掛けていました。
そして次女もそれを喜んでくれていました。

しかし、10年以上そんな生活を続けているうちに、次女は自分でも気付かないプレッシャーを抱え込んでしまっていたようです。

中学校を卒業するまでは、病欠することも殆ど無く、皆勤賞に近い出席率だった次女が、高校に入学した当初から欠席しがちで、不登校になりました。
そしてひきこもり生活になりました。
間もなく私の母であり娘にとってのおばあちゃんに、ガンが見つかり、手術をしました。
そんなおばあちゃんには、不登校になってしまったことなどとても話すことができませんでした。

人生が嫌になり「死にたい、殺して!」と毎日のように私に訴えてくる次女と、自分に残された命が少ないと感じて不安がるおばあちゃん。
双方とも【悲劇の主人公】になり、その悲痛な叫びを聞かされる日々が、私には続きました。
精神的に病んでしまっている、母と娘に挟まれていた私こそが、生きている心地がしませんでした。

そうこうしているうちに、ガンが全身に転移してしまったおばあちゃんは亡くなりました。
そのことが引き金となったかのように今度は、次女から、私と姉への暴言を伴う暴力が始まりました。
次女のイライラを理解出来ない、障害を持つ姉は、自分に向けられる次女の行動に対して興奮し、逆襲してきます。二人を落ち着かせようと仲裁に入る私は、負傷してしまうこともしばしば・・・
これ以上争いが続くと、家族三人が共倒れしてしまうだろうという状況にまでなったので、おばあちゃんの四十九日を目前にしたときに、娘たちを守る意味で、私が110番通報をし、次女を入院させました。

内観をして、私が両親に対し、幼少の頃から「嫌だ」という思いを言えずに、自分の中で勝手に処理していたことが、次女にまでその影響を及ぼしていたんだということ、つまり私と同じように、次女も心に色々な感情を溜め込んでいたんだと気付きました。
森川りうさんの「道のうた」に出てくる「過去が現在を作り、現在が未来をつくる」ということを実感しました。
こちらで集中内観を受けさせていただいたことで、期待以上の喜びを得られたことに大変感謝致します。
本当にありがとうございました。


この方がお帰りになられてから、約1ヶ月後にお手紙をいただきました。
内観をした母親やその家族にどのような変化があったのでしょうか?


半世紀となる50年間という長い年月、自分の胸の中に自らの意思により秘めこんでいた大きな塊が取り除かれたような爽快な気分になることが出来、言葉では表現しがたいスッキリとした透明感のある心に生まれ変わったような気持ちです。

特に私は、7日目の就寝前に「私は自分の一番身近な家族全員からDVを受けてきたんだ!」と改めて気づいたことにより、気持ちがスッキリしてぐっすりと眠ることもでき「集中内観に来て良かったぁ」と心から思えたので北陸内観研修所のシステムに感謝です。

集中内観から帰宅した夜、あることをきっかけとし、次女が2年半前に次女の家庭内暴力のために私が110番通報をして、病院に3ヶ月間強制入院するに至る一週間ほど前からの自分の心境を、事細かに初めて語ってくれました。

たまたま次の日の10日が病院での私の内観する日だったので、そのことを先生にお話ししたところ、次女の病気がそこまでの回復したことに驚かれていましたし、もちろん私もとてもうれしい気持ちになりました。
次女が自分の消したい過去と対峙できたからです。

これも「お母さんがずーっと内観を続けられている証ですよ」と先生がおっしゃって下さり、内観の素晴らしさを実感するとともに、私が内観に出会えるきっかけを作ってくれた次女に感謝しています。

お母さんは、「真実」を知り、心の大きな塊が取り除かれました。
病院の先生がおっしゃるとおり、子供は母親のがんばっている姿を見てくれています。
お母さん自身が安心する、すっきりすると、家族も安定する。
内観の大きな効果の一つです。

 

この方は自分自身を見つめ直すことの大切さを感じ、現在もなおクリニックでの日常内観を定期的に継続されています。

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