愛知県知多市にて心療内科・精神科・児童精神科を診療する「新舞子メンタルクリニック」についてご案内します。
2015.夏
30代 女性
内観を終えて振り返ってみると、今まで生きてきて考えもしなかった事を時間をかけてたくさん考えてきたのだなぁと思いました。
私の場合は、母・父・夫に対して“してもらった事”“して返した事”“迷惑をかけた事”と、両親が私に遣ってくれた養育費を調べた訳ですが、特に両親に対しての自分の今までの言動は何と失礼であり、愚かだったのだろうと気付かされました。いつも自分の事が一番で相手の気持ちや状況等は一切考えず、親元で一緒に暮らしていた時も自分の考え等はきちんと話した事がなかったと思います。
夫に対しても同様ですが、してもらった事が数えきれない程たくさんあるのにして返した事は本当に少なく、果たして何の見返りも期待せず心から相手の事を想ってした事なのか定かではありません。ただの自己満足だったのか、偽善的な事だったのか…。
そして、迷惑をかけた事もたくさんありました。思い出せる範囲内でのほとんどの自分の行動が迷惑になるのではないだろうか…というくらい。
両親が自分に遣ってくれた養育費の調べでは、改めて数字にしてみると、こんな自分にいかに莫大な金額をかけてくれたのだろうと、申し訳なさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
今では自分も子供がいますが、親がしてくれた事を自分も同じ様にできるのだろうか、とも思いました。
夫に対しての調べは、拒否できるのであればそうしたい程に、心の中で拒絶しながらスタートしました。たぶんそれは、両親に対する“ほぼ過去の自分”とは違い、夫とは最近の過去から今現在の自分につながり、“現在進行形の自分の姿”を目の当たりにするという現実を受け止める事が嫌だったのだろうと思います。
自分が今こうして生きていられるのは、決して自分一人の力ではなく、家族や関わってきた方々の気持ちや支えがあってこそだという事と、内観を通して少しでも気付けた事で得た感覚や考え方を大切に毎日の日々を重ねていけたらと思います。
内観に出会えて本当に感謝しております。ありがとうございました。
*この体験記につきましては、ご本人の許可を頂いて掲載しております。