愛知県知多市にて心療内科・精神科・児童精神科を診療する「新舞子メンタルクリニック」についてご案内します。
2020.冬
40代 女性
今回、内観したことで強く心に感じたことは、祖母に甘えていたこと。父や母から受けた想いや、それに対して何も返せていないこと。大切にしてもらっていたこと。それらは、日常で考えることは絶対になかったことで、内観をしている時間は不思議と気持ちが落ち着くことが多かったように思います。「ありがとう」と言おう、「ごめんなさい」と言おう、素直にそう思えました。
これまでは、自分がしたことに対して、“感謝して欲しい”、“何でありがとうって言ってくれないんだろう”、“何で自分のことをもっと認めてくれないんだろう”…そんな気持ちがいつもあったと思います。今でも腹が立っている時は、ほとんどそんな気持ちになっています。それに気付いたことが、まずは一歩前進なのかなと思います。
私の人生は、いつも人の後ろに隠れて守ってもらっていました。でも、それに気付かず自分でしっかり歩めているつもりでいました。大変なこと、嫌なこと、辛かった時、悲しかった時、いつも祖母や父、母、姉が矢面に立ち、私はただ見ていました。
母になり守るべき存在ができ、昨年祖母が亡くなったことで、自分を守ってくれる人がいなくなってしまったことがただただ不安で、いつも隠れていた自分が人を守れるのか不安で…そんな気持ちがいつもあったように思います。
内観にふれたことで、父や母、家族のことを考える時間を与えてもらいました。
今まで自分がどんな人間だったか、どんな人生だったか。
これからどんな人間になりたいか、どんな人生を送りたいか、そのためにできることは何か。
『母に対して、できることをもう少しだけしてあげたい。
娘に対して、きちんと守れる自分でありたい。
夫に対して、感謝できる自分でありたい。
人に対して、思いやりを持てる人間でありたい。』
日常では考えもしなかった家族との事実を思い出した時、思いもよらなかった感謝と申し訳ない気持ちで胸が熱くなることが何度もありました。テープを聴いて、気付かされることも何度もありました。
自分を追いつめるのも自己中なんだなって気付かされました。自分が苦しいのが、自分のせいとは…内観しなかったらきっと理解できなかったと思います。
“あれっ?私って、まぁまぁ幸せなんじゃない?”と思える今は、幸せなんだと思います。内観と出会うことのきっかけは置いておいて(笑)。
内観に出会えて良かったです。『道のうた』になるまでは、まだまだ、まだまだ遠い道ですが。私にできることを、少しだけ気を付けながら歩んで行きます。
*この体験記につきましては、ご本人の許可を頂いて掲載しております。